Galeries couvertes 覆われたギャラリー [お出かけ風景]
ルイ・アラゴンを始めとしたシュールレアリストたちは当時、「覆われたギャラリー」に客観的偶然を求めて散策。
【19世紀の空気の缶詰】
あっという間に1月が去っていきました。
もう1年の12分の1が終わっちゃったんですね・・・。(ΘωΘ )
そんなトコロ、
忘れたころにまた、お蔵入りになりそうなパリの話。
グランブールバール駅周辺にいくつか残ってる、パサージュ。
パッサージとは18世紀末、
通り(rue)を繋ぐための屋根付きの「抜け道」(passage)が造られたのが始まり。
硝子産業の発達とともに19世紀には爆発的に増え、
最大で100ほどにもなったそうです。
(パサージュは日本でいうアーケードかな。)
有産階級の方々に重宝されたのち、徐々にその役割を終えてゆき、
ジョルジュ・オスマン市長のパリ改造時代に、相当数のパサージュが消滅。
凱旋門や通りの整備をし、パリの中心を移したからでした。
そのころ、シュールレアリストやダダイストたちがパサージュに集まるようになり、
天井を囲ってあるこの場所を、「まるで水族館」のようだと言いながら、
中のカフェに屯し散歩を楽しんでいたようです。
ホテルChopinの目の前は、蝋人形館。
オドロオドロしい雰囲気もありながら、どこか格調高い。
なんとなーく、「浅草花やしき」ぽい印象も。
一見何屋さんなのかわからないお店も多く、
「通り抜け(passage)」という名称がついていても、立ち止まらずにはいられません。
ブロカントの缶、ほかにもカワイく朽ちたものがショーウインドーの中で微笑んでました。
入口近くには本屋さんが多かったパサージュ・ベルドゥー。 ジュールベルヌの本もいくつか発見。
パサージュ・ベルドゥーは詳しい人の本によると、
パリに現存する20カ所くらいのパサージュの中で、最強にマニアックだそう。
19世紀の空気がイチバン残ってるとか。
でも、気楽に物色できるものも多く、フラっと覗きについつい入ってしまいます。
写真集もたくさんあったし、SOLDEが既に始まってて半値・半値以下ぞろぞろ。
ゲンズブールさん、こんにちは。あの世でもお元気にしてらっしゃいますか?
覆われたこの「ギャラリー」は天井のガラスの光の入り加減が絶妙で、風雨に晒されない分、
本当に19世紀の空気が閉じ込められているような気がしました。
しかし、それにしても・・・時々漂うこの「場末感」は何だろう。
総じてみると、やっぱりどこか、「浅草界隈」の猥雑な空気に似てる気がしました。
≪訪ねたパサージュ≫
①Passage Verdeau(パサージュ・ヴェルドゥー)
グランジュ=バトゥリエール通り6番地→フォーブル=モンマルトル通り31番地
②Passage Jouffroy(パサージュ・ジョフロワ)
モンマルトル大通り10番地・12番地→グランジュ=バトゥリエール通り9番地
③Passage des Panoramas(パサージュ・デ・パノラマ)
モンマルトル大通り11番地→サン・マルク通り10番地
【パサージュから連れ帰った一冊】
ゴッホなどに影響を与えた、安藤広重。
ジャポニズムの余韻は未だに残っているのかも。
パサージュの本屋さんで見つけた画集は、大好きな広重のものでした。
やっとクリスマスに開けました。 仏語読みだと「イロシゲ」。
鷹の舞う江戸の空を描いた、深川洲崎十万坪。 この富士塚は中目黒駅近く、目黒高校傍の別所川付近。
日本でも数多く出版されている広重の本ですが、
やっぱり赤瀬川源平さんのが秀逸です。
赤瀬川さんの視点がサイコーで、何度読んでも楽しく、毎回新たな発見もあります。
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今日は雪の予報。
朝から暗いお天気だなーと思っていたら、
お昼頃から暗い外が明るく見えてきて・・・あれあれ?っと思ったら、
雪が積もり始めていたので明るく見えたのでした。
暖かい日は25度にもなるこのデッキも、今日はわずか3度。 畑もみるみるマッチロケ。
今日は立春なのに、「寒波襲来」だとか。
寒い日がまた続くようです。
どちらさまも寒中の折、ご自愛くださいますように。((+ω+))