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Monsieur Umemoto [ひとりごと]

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お話を聞いているうちに、なんとなく憧れを抱いた人は、既に1年前に亡くなっていました。


【ムッシュに白いカスミソウ】

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オペラ座界隈、早朝のモリエール像。

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駐禁マーク@サンルイ島の路地裏。

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ポンマリーからセーヌ川を望む。欄干の落書き、ハートマークがオチリぽい。

この橋の下を船で通るとき、

願い事をしながら隣の人にBiseビズ(頬にキス)すると、その夢が叶うという言い伝えがあります。

ただし、この「魔法」はたった一度だけ。

っていう、

いかにもな話も、パリでなら何となくアリ。

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パリ市役所近く、オテル・ド・ヴィル近辺の教会。

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サンタンヌ通りからちょっと入った小さい路地の花屋さん。

この白いカスミソウを、梅本先生に。

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【全ては食べものへの興味から】

学生時代にやったフレンチのレストランのアルバイト。

この延長から始めた仏語。

私のフランスへの愛は、全て食べものへの興味から始まっています。

数年後、仏語検定3級を取得。

知り合いの酒屋さんの娘さんがブルゴーニュにいたので、そのツテで何度かパリ&フランスへ。

彼女は仕事に使う為、アテネフランセで特訓したので現地で会ったらペラペラでした。

料理人を夢見たころもあったけど、(一時やったカフェ時代も挟む)

いつしか全く違う業界に入り気が付けば一昔(ひとむかし)×2くらい経ってました。

仏語は旅行のたびにカジったけど、その後はホッタラカシ。

去年の旅行前にも少しおさらいしたけど、やっぱり所詮付け焼刃。

非常にもどかしい思いをして帰国・・・。

そして、

去年の夏の終わりごろ知った、最近のICレコーダーの進化!

速攻購入して、まずはNHKの講座を何年ぶりかに聴くと、

こちらも随分進化を果たしててビックリ。

入門編はかつてのニオイぷんぷんだけど、応用編は全然違う。

しかも、それさえも2部門に分かれていて、3か月で入れ替わる。

梅本先生の講座は新年明けてからで、これが初めての出会いでした。

彼は、元々コピーライターをされていたけどその後、映画評論家になられたかた。

フランスで日本映画(昭和の名作が主)がこれほど評価されているとは驚きで、

小津安二郎や溝口健二、成瀬巳喜男などを改めて観たいと思ったものです。

エリック・ロメール、メルヴィル・プポー、サッシャ・ギトリ・・・

梅本先生が直接インタビューした録音が教材。

低音の声で洒落た話を交えてする講座は魅力的で、

ネイティブかと思ってしまうような流暢な発音も素晴らしく、

ひたすらカッコイイと思ったものでした。

ひと月ほど経ったころ、何となく梅本先生のことを調べたのですが、

驚くべき事実を知るのです。

なんと、梅本先生は2013年3月に亡くなっていたのです。

NHKの教材は、半年をワンクールとして、

4月~9月の教材を後半の10月~3月まで再使用する仕組みのようで、

昨年度用の教材を録音終了した去年の3月12日、

まさにこのNHKの打ち上げ後に倒れて帰らぬ人となったそうです。

享年60歳。

「人生なんて瞬きするぐらいの長さしかない」

そう言ったご本人が、まさに風のように去ってしまわれました。

亡くなられて既に時間は経ってしまっていますが、

心よりご冥福をお祈りします。

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パリで撮った画像を眺めていたら、

なんとなく先生のイメージに合いそうな数枚を選んでいました。

ムッシュ梅本、

好きなものに情熱を注ぐというのは本当に素敵なことだと、

改めて思える日々をありがとうございました。

時間が取れたら、また小津安二郎やトリュフォーをじっくり観てみたいです。

そして、コツコツとですが仏語の勉強も続けていきたいと思います。

( ※梅本先生の教材は今年度もまた使われています。また暫くは録音して聞き続けるコトができそうです。 )


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